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誰も見ないで

第5章 好きになんて(サイドストーリー)


なんて脅しだ

ここから俺の家まで歩いていける距離だって言っても、人を担いで歩いて目立たないなんてことあるわけない


俺は渋々了承し、相原大和を家に招くことになった



「邪魔するぞ」


そう言いながら躊躇なく俺の家に入ってきた相原大和


俺の家は湊斗の家と違って海外出張でもなんでもないから両親とは一緒に暮らしている

けど、共働きだから昼間は家にいなくてラッキーだった


父さんと母さんがこんな明らかにガラの悪い人と帰って来る俺を見たらどう思うかな


優しいけど真面目な両親を思って、悲しむだろうなとげんなりする


「お前の部屋はどこだ」


それでも目の前にいるこの人の俺を看病する姿勢は全く変わらないらしく、俺は大人しく自分の部屋へ案内した


湊斗以外の男が入るのって、いつぶりかな


そう考えながら扉を開ける

大抵の男は放課後にどこか行ったりするレベルで仲良くなったりはするけど、家に招待するほどにはならない


嫉妬とか、遠慮とか
色々されるから


その点ずっと昔から仲の良かった湊斗だけが俺にも変わらない態度で接してくれた


そんな昔の思い出に想いを馳せていると、相原大和に


「制服で寝れねぇだろ。とっとと着替えろ」


と言われた

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