誰も見ないで
第5章 好きになんて(サイドストーリー)
「家探しとかしねぇから安心しろよ」
……は?
そんなこと疑ってると思われたのか
ちょっとがっかりしたのとそんな風に思われた腹いせに
「そういうこと本当にやらない人は自分からそんな風に言わないと思いますけどね」
と毒づいてみた
すると「確かにそうだ」と納得した相原大和が何故か俺の布団に入ってきた
そして
「……よっ……と」
あろうことか俺を胸の上に乗せるようにしてくる
「!? 何してるんですか!?」
「こうしておけば俺が動いた時お前の目が覚めるだろ」
何言ってんのこの人!?
「苦しいでしょう。別にーーー」
1人で大丈夫なのでお帰り下さい、と言おうとしたら布団を上からバサ、とかけられて言葉が止まる
「ぶっ」
「悪い。顔までかかったか」
悪いとは言いながらも全く悪びれる様子のない相原大和が俺の顔にかかった布団をどけてくれる
「ほら寝ろ」
「…………このままじゃ苦しいでしょう。やっぱりどいた方が……」
「お前のこのクソ軽い体重が乗ってるぐらいじゃちっとも苦しくねぇよ」
そう言いながら相原大和は大きな欠伸をした
「俺も寝るから。お前も寝ろよ。おやすみ」