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誰も見ないで

第5章 好きになんて(サイドストーリー)


そして言葉の通り本当に寝息を立て始めてしまう


な、なんなんだこの人


今なら抜け出せるかと思って動いてみたけど、俺のお腹に回った腕はがっしり俺を捕まえていて


「……」


このなんとも恥ずかしい状況から逃げられない

諦めて頭を相原大和の胸につけると、ゆっくりとした鼓動が聞こえてくる


それを感じた途端に何だか自分も眠くなってきて

俺は結局相原大和の胸の上で寝てしまった



起きたのは数時間後

うっすら意識が覚醒すると共に背中に緩やかな衝撃を感じた


なん、だろ


自分の寝る前の状況もまだ思い出せないままで少しずつ他の感覚も取り戻していく

すると身体全体に感じる自分以外の体温と
それから背中のこれは


叩かれてる……?


子供を寝かしつけるそれのようにぽん、ぽん、とゆっくりとしたリズムで背中を誰かに叩かれている


気持ちいい
もう一回、寝る


そう思ってまた意識を飛ばしそうになったその瞬間、寝る前の記憶が蘇ってきて


「!!!!!」


俺は光の速さで飛び起きた


「お、その速度で動けるってことは大分良くなったか」


目の前には思い出した記憶にメインで登場していた相原大和

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