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誰も見ないで

第1章 告白


「大変だね」と相槌を打ちながら俺は内心で胸を撫で下ろした


身体、弱いんだ
見た目も細いし納得といえば納得

気をつけてあげないと


「……」


もっと仲良くなって
色んなこと知りたいな


「ねぇ紺野君、携帯のアドレスと番号教えて?」


俺が唐突に聞いたからか、紺野君がピク、と肩を揺らす


「は……はいっ」


けど普通に許してくれたから、俺も紺野君もポケットから携帯を取り出して画面に表示されたアドレスと電話番号を自分のアドレス帳に登録した

自分の携帯にある『紺野 瑞稀』の名前に少しだけ心が擽ったい


新しく人を登録するのっていつもこんな感じだったっけ


「よし、登録できた。ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございます」


嬉しそうに紺野君も携帯の画面を眺めてて、俺もまた嬉しくなる


けどなんか、忘れてるような


「……あ」
「?」


そうだ
思い出した

俺正樹に言われてやらなきゃいけないことがあったんだった


「ねぇ紺野君、明日は俺がお弁当作ってくるよ」
「渡辺君が……ですか?」
「うん」


突然の申し出に紺野君はびっくりしたような顔をして、その後花が咲くように笑った


「是非!食べてみたいです!」

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