誰も見ないで
第6章 キスの次は
「よかった」
「僕も良かったです」
「瑞稀君も?」
「僕だって、み、湊斗君としか出来ないじゃないですか」
まだ名前呼びなれないのかな
「そうだね。でも俺はこれ以上ないくらい気持ちよかったから、安心して」
俺の何度でも出来るよって発言に2人で笑い合って、そろそろ寝ようかと目を閉じる
「おやすみ」
「おやすみなさい」
俺は瑞稀君の寝顔を見たいなーと思って寝息が聞こえるまで寝ないように気を張っていると、俺が寝たと勘違いしたのか瑞稀君が俺の頬に触れてきた
起きてるか確認するように指でつつかれて、動かないのがわかるとつついたことを謝るみたいに撫でられる
かわいいな
そして最後に俺の腕の中へ潜るように身体を寄せると
「ずっとここにいられたらいいのに……」
って、小さな声で言ったのが聞こえた
俺はその言葉が、俺とずっと一緒に居たいってことなんだと思ってた
その解釈は間違ってはいなかったんだけど、その裏にある瑞稀君の事情なんて俺が知る由もないから
言葉の本当の意味はその時は理解できていなかった
俺は寝息を立てる瑞稀君に
「俺も、ずっとここにいて欲しいよ」
って囁いた