誰も見ないで
第7章 罪と罰と罪と
自分の至った考えになにそれ最高、とか1人で思って
でも一緒に住もうなんて言えるわけもないから
「これからはいつでも俺の家に来てくれていいからね」
と遠回しに来てってお願いした
「はい。ありがとうございます」
俺の家は正樹ぐらいしか来ることないから、毎日でも来てくれていいなぁ
そして、次の角を曲がったら瑞稀君の家が見えるってところまで来た矢先
瑞稀君にグ、と袖を引かれて歩みを止められた
「わっ……!? どうしたの?」
「…………」
俺が瑞稀君を見ながら理由を聞くけど、瑞稀君は暫く黙ったまま
漸く口を開いたと思ったら
「湊斗君、先に行ってて下さい」
と困ったように笑いながら言われた
「ん? まだ時間余裕だし、一緒に行っても全然大丈夫だよ?」
「今まで完全に忘れてたんですけど、今日消防の点検があるんです。僕1人暮らしなので自分がいなくちゃいけなくて……」
何ヶ月かに1回あるやつ?
「前回学校で立ち会えなかったので、今回は必ずと言われていたのを忘れてました」
やってしまった、という顔をしながら話す瑞稀君に確か俺も年に1回は立ち会って下さいって言われたような気がする、と思い出す