誰も見ないで
第7章 罪と罰と罪と
家族だから
なんて情を僕はまだ持ってるのかな
それならそんなもの捨ててしまいたい
誰も幸せになんてならないんだから
僕が1人で道を歩いていると、携帯が震えた
開くと通知は湊斗君からで
『点検の時間わかる? 瑞稀君がいないと学校つまんないね』
という内容のメール
かわいく僕を求めてくれる言葉に、少しだけ口元が緩んだ
けど今はなんだか心の中が真っ黒で
湊斗君の純粋な言葉でも全く浄化出来ない
湊斗君は全然ひとりぼっちなんかじゃないんだから、僕がいなくなって平気なくせに
誰だって湊斗君に話しかけられたら喜ぶよ
みんな、湊斗君と話す機会を伺っているだけ
僕だって
そうだった
ほんとにひとりぼっちなのは、僕
だけ
「……」
こんな風に考える自分なんて大嫌い
素直に人の言葉を受け入れられないなんて最低
なのにどうしても今は駄目で
心の中でせめぎ合う気持ちに限界が来て
僕の目からまた涙が流れた
ひとりぼっち
寂しいよ
きっと僕の方が
湊斗君よりも、ずっとずっと寂しい
袖口は涙を拭い過ぎてもうびちょびちょで
やっぱりコンビニなんて行かなくて正解だったな、なんて考えた