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誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


こんな風に挑発されて、転んだ時に床に着いてた頭を足で踏みつけられても

何も言えない
自分が嫌い


僕はただひたすらに、お金は渡したんだから早く出て行って、と願った


けど、こう言う時の神様は驚くほど意地悪で


「あ、俺今度からこの近くに用ができたから、暫くどこも行かねぇから」


一瞬で僕の期待も希望も何もかも奪い去られてしまう

僕の絶望が伝わったのか、お父さんは楽しそうに笑った


「悪かったな。言うのが遅くなって」


酔っ払ってるからなのか、なかなかその笑いは収まらない


「……っ」


僕が苦しんでるのがそんなに楽しいの
なんで……


そして長い時間笑い続けた後は「じゃ、俺寝るから邪魔すんなよ」と言って勝手に布団を敷いて寝始めてしまった

行き場のなくなった怒りをぶつける先がなくて、僕は項垂れるしか出来ない


ふと時計を見ると
まだ午前中


学校、行かないと


僕は立ち上がって、シャツを着替えた



支度を終えた僕が人気のない道を歩いて学校に到着すると、教室で湊斗君が僕の方を見た

一瞬嬉しそうな顔をして、でも授業中で喋れないからって誰にも気づかれないように視線だけで微笑まれる

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