誰も見ないで
第7章 罪と罰と罪と
開いてみれば湊斗君からこんな内容のメールが入っている
「……」
なんでだろ
何にも思わない
優しくして貰って
嬉しいはずなのに
午前中にメールを貰った時に感じたイライラとも違う
ほんとに、何にもない感じ
僕は自分の感情に驚きながらも、行かなきゃと席を立った
屋上でぼーっと風に当たりながらいつご飯を食べたのかわからないほど早い時間からグラウンドで遊ぶ生徒を眺める
まだお昼休みに入って10分も経ってないのになぁ
早弁でもしてたのかな
その時も心の中は驚くほど穏やかでいつも通り
当然、湊斗君が屋上にやって来た時もそうだった
「お待たせ〜。ごめんね、結構並んでたから」
「いえむしろ、買って来てくださってありがとうございます」
僕達の通ってる高校の購買はお昼になると混むから、2人分なんて買えるだけすごい
もしかしたら湊斗君だから、誰かが開けてくれたりしたのかもしれない
本人は気づいていないのに、周りの人たちがこそこそと列を開ける姿を想像して少し笑う
すると、湊斗君も僕の方を見て笑っていることに気がついた
「? どうかしたんですか?」
「ん? んー……」