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誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


なんて
思っていたのは嘘じゃない

けど、学校が終わって家に帰ってみれば
扉を前にして、何も出来ずに固まってしまった

いつもなら何も考えずに鍵と扉を開けて、家の中で湊斗君から来るメールに返信してるのに

学校で一瞬忘れていただけで、家に戻ってくれば蘇って来る恐怖


でも家に帰らなきゃ、とカタカタ震える手で鍵を開けて扉をゆっくり開いた

すると


「!!!」


音を聞きつけたのかお父さんが部屋の奥からドスドス音を立ててやってきた

そして僕の髪の毛をがっ、と掴むと乱暴に家の奥へと連れて行かれる

何かに腹を立ててまた暴力を振るわれるのかと思ったけど、何か違う


なんだ……?
あ、そうか

お父さん、楽しそうだ


それを認識した瞬間に浮かんだのは安堵じゃない
だってこの顔は、何か悪いことをする時の顔だから

抵抗もできない僕はされるがまま、ベッドの近くまで何故か運ばれていたダイニングチェアに座らされる

そして僕の手足を椅子の足と肘置きにガムテープでくくりつけられた


「な、なに……」
「お前はそこで大人しくしてりゃいいから」


お父さんは妙に上機嫌で
僕の頭をぽんぽん、と叩きながら鼻歌交じりにどこかに行ってしまう

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