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誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


と思ったら戻って来たお父さんは


「忘れてた。叫ばれたりしたら困るからな」


僕の口もガムテープで塞いだ


叫ばれたり……って
これかれ僕が叫ぶようなことが起きるってこと?


的中してしまった嫌な予感に、心の中が不安でざわつく

そんな僕に全く御構い無しのお父さんは、今度こそ本当にどこかへ行ってしまった


扉が開いて閉まる音がしたから
外に行った……?

まさか、このまま放置しようってことじゃない……よね?


最悪の予感が頭を過るけど、あんなに嬉しそうに準備を進めていて何もしないなんてありえない

すると、お父さんが出て行った筈の扉がまた開いた音がした

2人ぐらいが歩く足音がして、振り返ってみると


お父さん……
と、誰……?


お父さんと一緒に顔も知らない男の人が立っていた

男の人、とは言ってもすごく若そうに見える
大学生とか、せいぜい20代前半くらい?

綺麗な顔立ちのその男の人は僕を見てにやにやと笑った


「うわー……まじ? なにこれ」
「いいだろ?」
「ふふふ、悪い父親だね」


「教育だよ、教育」そう言ったお父さんは折りたたみ式の小さな机を持って来ると、そこに何かをカチャン、と置いた

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