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誰も見ないで

第1章 告白


誰もいないだろうと思ってぼーっとしながら教室の扉を開けたらびっくり


「!」


中には既に人がいて、しかもそれが


「紺野君……?」


まさかの紺野君だった


早く登校してるのは知ってたけど、こんなに早かったんだ……

こんな時間に来て何してるんだろう


俺が扉を開けた音で気がつかなかったのか、それとも他の人を気にしない性格なのか全く動かない紺野君

何かあったのかな、とそっと近づいてみると


……寝てる……


紺野君は席でスヤスヤと寝息を立てていた


だから珍しく机に突っ伏してたんだ


そもそも学校で寝るつもりだったみたいにメガネは机の端っこにちょこん、と置かれていて

組んだ腕の上に乗せている頭は窓側を向いていて角度的に顔までは見えない

けど、出来心でちょっと顔が見たくなって


「……」


起こさないようにそっと動いて窓際に移動した

まだ朝の早い時間の柔らかい日差しに照らされて、紺野君の天使みたいな顔が見える


「……っ」


あーやっぱり
かわいい


前回はこんなにじっくり見られなかったから、もしかしたら勘違いだったのかもとすら思ってたけど

やっぱり勘違いなんかじゃなかった
かわいい

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