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誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


それぐらい僕にとってはダメージの大きい出来事だった


学校に行かなくなってずっと家にいる僕を
お父さんは少しも責めたりしなかった

けれど、同じような行為はその後何度も何度も続けられた

いつしか何も感じなくなってしまって
つまらないと言われては殴られた

それも、少しも痛いと感じられなくなってしまった

身体には痣が増えていくけど
外に出ることはないからどうだっていい

誰とも話すことはないから
声だって出なくなった


家に電話を置いてないから唯一の連絡手段だった携帯電話は、どこに行ってしまったのかすらわからない
覚えてない


学校に行かなくなって暫くは何度か鳴っていたような気がするけど
感覚が鈍くなってるせいか音があんまりよく聞こえなくて、気にならなくなった

もしかしたら電源が落ちてるのかも
本当にそうだったとしても
入れる気なんて全くないけど

その必要性も感じないし


今日も僕はぼーっと座って
お父さんに殴られて
お香を焚かれた部屋で、刺激的な行為をするための物として扱われた


何日経ったとか
今が何時だとかもわからなくなって

意識はあるのに
記憶はいつの間にか途切れてしまった

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