誰も見ないで
第7章 罪と罰と罪と
でもどうしても何かがひっかかってる
気がする
俺は帰り道にあるチェーンの喫茶店に寄って、飲み物と共に窓際の席に座った
そして携帯を開いて、最近は日課になっている瑞稀君へメールを送る
瑞稀君が学校に来なくなって以来、返って来たことはないけど
「はぁ……」
自分の心にひっかかるモヤモヤを少しでも吐き出したくて大きくため息を吐いた
そしてストローで飲み物をかき混ぜながらぼーっと外を眺めていると
あ、びっくりした
瑞稀君とどことなく顔が似てる人が通って驚いた
普通におじさんって歳だし
身長も瑞稀君より高いし
ちゃんと見たら全然違う
瑞稀君に悪いことしちゃったな
心の中でごめんね、と瑞稀君に謝罪して、瑞稀君に似てると思ったおじさんを目で追う
フラフラしててなんだかあぶなっかしい
まだ夕方なのにお酒飲んでたのかなぁ
そんなことを考えながら飲んでいたら飲み物がなくなっていて、気づくと同時に店員さんが
「おかわりはいかがですか?」
と聞きに来てくれた
素早い対応
対応には感動したけど、申し出は断って俺はお店を出た
家へと続く道を歩いていると、前方に見覚えのある背中