誰も見ないで
第7章 罪と罰と罪と
「まっ、待ってください!!!」
俺は扉を手で掴んで止めて、力ずくで開こうとした
すると
「しつけぇガキだ……なっ!!!!」
おじさんは少しだけ扉を開いて俺のお腹を脚で蹴り飛ばした
「……っぐぅ」
俺はアパートの廊下にあった柵に背中を強く打ち付ける
その間に瑞稀君の家の扉は閉められてしまった
すぐに立ち上がってまた扉を叩きたかったけど、俺の人生でこんな風に暴力を振るわれたことはなくて
「……っ」
恐怖心で動けなくなってしまった
俺はこんなところで寝てるわけにもいかず、ゆっくり立ち上がって自分の家へと帰った
絶対あのおじさんは瑞稀君がどこにいたのか知ってる
俺が聞いた時に答える前の間が絶対そう
なのに
自分の部屋で、カタカタ震える自分の腕を押さえた
大人の人に蹴られて怖い
なんて、情けない
するとその時
インターフォンも鳴らずに突然俺の家の扉が開いた
鍵は閉めたはず
驚いたのは一瞬で、すぐに家に入って来た人が誰だかわかった
「たっだいまー!!! 湊斗ーー!!!」
「ただいまー」
勢いよく帰って来た2人は、大きな荷物を抱えて俺の部屋まで一直線に入ってくる