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誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


全身の血が冷えて行くような感覚がした


「しかも、父親が使っていた違法ドラッグを一緒に使われていたかもしれない」


違法、ドラッグ……


ニュースで聞いたことがあるような単語に頭の中が混乱する

もしかしたらこれは夢なのかもなんて思った


「湊斗が街中で見かけたと言っていたのは恐らく、薬物の受け渡しをされていた時だと思う」
「あんな、住宅街で……?」
「あぁ」


そう頷いた後、父さんは俺に「湊斗、ごめん」と謝った


なんで父さんが謝るの


「実は、今回私達が帰国したのはその薬物を回収するためだったんだ。日本に流れてしまったという噂があったからね」
「でもまさか、あんな一般人にまで流れてるなんて……私達も思わなかったの」


父さんと母さんの仕事はよく知らない

日本で言う警察官みたいなことを海外でやってて、たまに他の国でも仕事をしてるって聞いてた

人には話せないことが多いからそれ以外のことはわからない

でもそっか
突然帰ってきたのも仕事だったのか


薬物を追ってて

それで、それを瑞稀君のお父さんがそれを使ってて

それを瑞稀君、も……?
あれ


頭が回らなくなって、くらくらする

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