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誰も見ないで

第1章 告白


すると、廊下の方から人の歩く音が聞こえて来た

そろそろみんなが登校してくる時間みたい


「あ……っ」


その音を聞いてちょっとだけ困ったような焦ったような顔をした紺野君を、俺は見逃さなかった


そんなに俺と一緒にいるの見られなくないのかなぁ


「じゃあ俺、自分の席に戻るね」
「はい。では……お昼休みに、また」
「うん」


俺の言葉にホッとしたような顔をする紺野君に、少しだけ胸が痛む

けど迷惑かけちゃいけないってわかってるから、俺は大人しく席に戻った


「……」


椅子に座って、まだ朝のHRまで時間があるなって携帯で時間を確認しながら考えていたら


「!」


いいこと思いついちゃった

メールなら直接話してるわけじゃないし、いいかな


そう思って早速昨日聞いたばかりのアドレスを呼び出してメールの画面を開いた


うーん、と
さっき挨拶はしたから、おはようは今更だよね

でもそういうのないとどうやってメール始めたらいいのかわかんない……

それにメールするの初めてだしなぁ

あ、そっか


『折角アドレス聞いてたのに、昨日のうちにメール出来なくてごめん。教えてくれてありがとう』


あれ
ありがとうも昨日言ったか

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