誰も見ないで
第1章 告白
でも今はこれ以外に思いつかないし、とりえずこれでいっかと思って送信ボタンを押した
家族と正樹以外にメールするのなんて久しぶりだな、なんて思いながら近くにいる紺野君の様子を伺う
するとすぐに紺野君は携帯を確認してくれて、返信してくれているのかゴソゴソと動いているのが見えた
ふふ
なんかこんなに近くにいるのにメールしてるのって不思議な気持ち
みんなに秘密の関係みたい
そして紺野君の動きが止まると、交代したかのように俺のポケットに入っていた携帯が震えた
通知はもちろん紺野君からのメールで、返信には
『こちらこそありがとうございました。渡辺君とアドレス交換出来るなんて思っていなかったので、嬉しいです』
と書かれている
またすごい謙虚な返事
アドレスなんて別に秘密にしてたりするわけじゃないのにね
次、なんて書こうかなーなんて紺野君の背中を見ながら考えていると
あ、欠伸?
紺野君がちゃんと見てないとわからないぐらい小さな動きで伸びをして、小さく欠伸したのがわかった
かわいい
『今欠伸したでしょ。眠い?』
すると、そのメールを確認した紺野君の耳が赤くなる