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誰も見ないで

第9章 何度でも好きになる


俺はそんな光景が見るに耐えられなくなって、出来る限り優しく瑞稀君を抱き締めた

腕の中から瑞稀君のか細い声が聞こえる


こんな細くて、小さな身体で
ずっと頑張ってきたんだね

柔らかい髪の毛に頬擦りして


「ありがとう」


って伝える


「二回も俺のこと好きになってくれて」


それと


「ごめんね」


ちゃんと本人に言わなきゃいけないのに
ずっと言えなかった


「1番苦しい時に傍にいられなくて。助けられなくて」


ごめん、と言おうとした筈なのに、いつの間にか俺の目からも溢れた涙がそれを阻んで

何を言いたかったんだかまるでわからない


ちゃんと言わなきゃってもう1度口を開くと


「湊斗君、好き」


腕の中の瑞稀君が俺の首筋にちゅ、とキスをして
抱き締める腕を強めてくれた


「うん。俺も、大好き」


少し身体を離してお互い見つめ合うと、自然と唇が重なって

もっとちゃんと全身で繋がりたいって強く思った


話とか
謝るのとか

後でいい


瑞稀君がここにいるなら、いくらだって話せる

もうどこにも行かせない
離さない


全身に口づけをしながら瑞稀君のズボンや下着も脱がせる

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