誰も見ないで
第10章 同棲
犯罪だって言いたいぐらいかわいい
どうしよ
「ごめんなさい。許してくれる?」
俺のこと責めてるわけじゃないってわかってたけど、少しでも不快な気持ちにさせてたら嫌だなって思ってちゃんと謝った
すると瑞稀君は笑って
「ふふふ、怒ってないよ。だって仕方ないもんかっこいいのは」
と言ってくれる
そのことにほっとしつつ、一応「かっこいい」って言われたことを否定しておいた
「そんなことないよ」
俺の言葉にまだ何か言いたそうにしていた瑞稀君だけど、結局その口からは何も言葉は出て来ず
時計を見た俺が
「そろそろお昼ご飯食べに行こっか」
と先に言ってしまった
「うん」
「何か食べたいものある?」
「特にこれって言うのはないかなぁ」
それならどこか特定のお店に入るよりフードコートとかの方がいいかな?
たくさん選べるし、別々のもの食べても同じ席に座れるし
瑞稀君にそのまま提案すると「そうしよう」って同意してくれたから、俺たちはそのままフードコートに向かった
少しお昼時を過ぎてるからか、フードコートはちらほら空席が出てきた頃
「あ、あそこ空いてるね」