
誰も見ないで
第10章 同棲
あっさりと席を確保できてしまった
ここまで歩く途中で貰ったフロアガイドを広げてフードコートにどんなお店があるのかチェックする
いろんなのあるなぁ
ラーメン、ハンバーグ、ビビンバ
うどん、オムライス……
パンケーキ屋さんまで?
「うーん……」
俺が悩んでると、瑞稀君は「僕これがいいな」って1つ指差した
そこは俺もさっき気になって見てたお店
「あ、俺もそこいいなって思ってたんだ」
「ここにする?」
うん、と頷いてから瑞稀君と顔を見合わせて
同じの食べるならフードコート選んだ意味がちょっとないねって笑った
それから見える範囲にあったそのお店のメニューを遠目で見ながらあれにするーとか話し合って
「俺買って来るよ」
と言いながら俺が立つ
「僕が……っ」
「いいから。瑞稀君は席取っといて」
俺がそう言えば瑞稀君は席から離れられなくて、その間にさっさと離れた
今フードコートにいる人達はほとんど食事してる段階だからか、注文に来る人がいなくて並ばずに注文出来た
普通なら渡される番号札とかもなく、「少々お待ち下さい」と言われてその場でちょっと待つ
その間俺は少し後ろを振り返ってみた
