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誰も見ないで

第11章 侵略者


漸くいつもの感じに戻れた気がしてすごく嬉しい


と、そこで
安心したからか大きな欠伸が出た


「ふぁ……ぁ」
「眠そうだね?」
「ん、眠いかも」


始業式だけで帰ってきたから時間はまだお昼前


「ちょっとぐうたらしすぎかもしれないけど、お昼寝する?」


瑞稀君が俺が躊躇って言えなかった提案をしてくれて


「うん」


俺はすぐに頷いた

さっさと部屋着に着替えて、クッションを枕にして横になる

瑞稀君って呼ぶより前に瑞稀君は俺の隣にころん、と横になってくれて嬉しい


そしてお互い至近距離で目を合わせて「おやすみ」と笑ってから目を閉じた


それから意識がなくなるまでの少しの間で


担任の先生いい人だねって話、瑞稀君ともっとしたかったな

って今日のこと思い出すと同時に

落し物拾ってくれたって言ってた女の子の「よろしくね」ってなんだったんだろ


ってぼんやり思った

でもその違和感を違和感と認識するより前に俺の意識は睡魔に負けて


「……すー……」


眠りの中へと落ちていった


そして目を覚ましてからも、お昼ご飯を食べて瑞稀君とだらだら午後を過ごす時も
そのことを思い出すことはなかった

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