誰も見ないで
第11章 侵略者
あまりに記憶のないまま自分のものがなくなっていることが、違和感というか
不安? になる
俺の頭が心配
それでもまぁ、うっかりはよくあるし
そもそも使ってなかったやつだし
と切り替えて、一応家に帰ったら探してみようとだけ思って考えるのをやめた
その数日後
「あれ?」
今度は鞄につけていたキーホルダーがなくなっていた
キーホルダーと言っても買ったり人から貰ったりしたものではなくて、ペットボトルのお茶にオマケで付いてたのなんだけど
半年ぐらい付けっ放しにしてたから、紐が切れちゃったのかな
更に数日後
「え、あれ……?」
今度は鞄に入れてた体育の後に汗を拭いたタオルがなくなっていた
家に帰ってきてから気づいて鞄を漁る俺を、瑞稀君が気にしてくれる
「タオルがなくなっちゃった」
「あの水色の?」
「そうそう。今日体育で使ったのまでは覚えてるんだけど……」
落とした、かなぁ?
でも最近こうやって物なくすことが多すぎるような気もする
「んー……」
俺が鞄を前に唸っていると、瑞稀君が心配してくれた
「そんなに大事なタオルだったの?」
「ううん、そうじゃないんだけど……」