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誰も見ないで

第11章 侵略者


「見てないかな?」


俺が探してるものがちゃんと伝わって喜んだのも束の間


「ごめんなさい。見てない、です」


と言われてしまった

俺は見た目にもわかるほどに落ち込んでしまって


「そっか。ありがとう……」


と、お礼だけなんとか伝える

すると女の子は焦ったように付け足した


「あ、あの……っ、そんなに大切なものなら先生に言っておいたら、落し物で届いた時教えて貰えるんじゃない、かな?」


先生、と言って指したのは帰りのHRのために教室に入ってきた担任の先生で、俺は確かにと相槌を打った


「そうだね、うん。ありがとう」


そうするよ、って笑ったら女の子は安心したように笑ってくれて

その後ハッと気がついたように顔を真っ赤にしてどういたしまして、と言って前を向いてしまった


そっか
先生に言っておいたらいいのか


俺はとりあえず帰りのHRが終わるなり職員室へ戻ろうとする先生を追いかけて呼び止めた

なくなったものの特徴とかを伝えると、先生も探しておくと言ってくれて安心して教室に戻る


「湊斗君、先生に何か用事だったんですか?」


学校が終わるなり各々部活などに出て行ってしまって、人が少なくなった教室で瑞稀君が話しかけてくれた

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