誰も見ないで
第12章 侵入者
学校に行っても休み時間のたびに俺たちのクラスへやって来ては話しかけてくる
「湊斗」
「……正樹……」
うんざりした顔をしても全くの効果なしで、むしろ楽しそうな顔
「次体育だろ? 一緒に着替えに行こう」
集団で行動しないと気が済まない一部の女の子みたいにずっと一緒すぎて、気が休まらない
「正樹は瑞稀君に罰をって言ってなかった? これじゃ俺への嫌がらせなんだけど!」
我慢の限界がきて、とうとうそう言ったのは1週間が経とうかとする時の休み時間
先生に頼まれた手伝いをするから一緒にって別のクラスの俺のところにわざわざやってきて言われた
その教室への帰り道
「ん?」
にこにこした顔で俺を見る正樹は、「そんなことないよ」と言ってから
「ちゃんと瑞稀君への罰になってるよ」
と言った
「湊斗への嫌がらせにもなってるのは否定しないけど」
「してよ……」
でも、瑞稀君への罰になってる?
どこが?
瑞稀君は家でも学校でも平然としてるし、特に何ともなさそうだけど
「?」
「いずれわかるよ」
「いずれっていつ。正樹は一体いつまでうちにいる気なの」
俺がちょっと責めるように言うと、正樹はちょっと申し訳なさそうな顔をした