
誰も見ないで
第2章 嫉妬
横顔から、完全に紺野君だって確信した
けど
なんであんなかわいい顔で笑ってるの
俺にだけじゃないんだ
「……」
「湊斗? どうかした?」
「……なんでもない」
そりゃ俺だって友達が全くいないわけじゃなくて正樹がいるし、笑いかけるぐらい誰にだってする
それなのに
友達にこんな風に思うなんて変だ
正樹が誰かと喋っててもこんな風に思ったことなかったのに
1つ上ってことは、3年生……だよね
あの人と紺野君にどんな関係があるんだろ
それから違うクラスの正樹と分かれて自分のクラスに入ると、誰もいない教室で紺野君は1人また机で居眠りしていた
あの人と一緒に学校来るために早く来てるのかなぁ
紺野君の席に向かいながらそんなことを考えていると、さっきの正樹の言葉が頭に浮かぶ
ヤンキー……
まさか本当に何かされてるわけじゃない……よね
「んー……」
紺野君を起こさないように極力小さな声で唸って、すやすや寝ている紺野君を見る
別に痣とかはない、な
寝不足でクマが出来てたりもしない
じゃあなんで
すると昨日と同じ時間に紺野君の携帯のアラームが鳴って、紺野君が眠そうにアラームを止めた
