テキストサイズ

誰も見ないで

第2章 嫉妬


「おはよ」
「! お……はよ、ございます……」


びっくりした顔をした後慌てて俯いた紺野君に心の中でかわいいって呟く


「き、今日も早く目が覚めたんですか……?」
「うん。昨日早く寝たから」


いつも俺と話す時はちょっと怯えてる感じがあるんだけど、今日のそれはなんかあの人のことが後ろめたいんじゃないかとか思ってしまう


いつもと変わらないのに
なんでこんな勘ぐってるみたいになってるんだろ

最悪


自己嫌悪がすごくて、俺は教室に人が入って来るのを見てすぐに自分の席に戻った



お昼休み

どうしても朝のことが気になって
結局午前の授業も集中して聞けなかったから


「紺野君さ、朝誰かと一緒に登校してる?」


と聞いてしまった

お弁当を開いていた紺野君の手が止まる


「え、と……どうしてですか?」


どうしてって


「気になるから?」


素直にそう口にすると、紺野君が俯いてしまう


誰と来てるのかぐらいきっと正直に答えてくれるよね
すっきりしたいから、早く答えて


そう思って紺野君の答えを待っていると


「1人で……登校してます……」


予想外にもこんな答えが返ってきた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ