誰も見ないで
第12章 侵入者
突然勢いよく動き出した俺に瑞稀君が驚いた顔をする
俺はそんなの御構い無しにティッシュで瑞稀君のお尻から垂れる液体を拭いた
「みなとくん?」
疲労感からか気怠げな声で瑞稀君が俺を呼んで、顔を上げる
「なに?」
「そんな急いでしなくても、すぐ体調崩したりしないよ?」
俺が瑞稀君のを一生懸命掃除してるからそう思ったのか、伺うように言われる
「もちろん瑞稀君の体調も心配だけど、俺が急いでるのは違う理由だよ」
ちょっとごめんね、と声をかけてから瑞稀君の中にも指を入れてゆっくり掻き出す
「ん、じゃあ……っ、なんで?」
まだ敏感なそこを擦られるのが辛いのか瑞稀君が息を乱しながら聞いてくる
よし、そろそろいいかな
まだちょっと残ってるっぽいけど、後でシャワーで流したらいっか
一通り処理が終わって、俺は瑞稀君の質問に答えるべく隣にドサっと横になった
そして瑞稀君が俺の名前を呼ぶより早くぎゅう、と抱きしめる
「わっ……」
理由、教えて上げるね
「瑞稀君とこうして早くいちゃいちゃしたかったから、だよ」
はぁ
あったかい
幸せ
ゆっくりしてて、この時間が減るなんて
もったいない