誰も見ないで
第13章 好きになんて(サイドストーリー2)
「それって……俺のこと好きって、こと……?」
小さな声で
でも、ちゃんと確認したいからしっかり相手に伝わるように聞いた
心臓が早くなりすぎて
もう、痛い
俺の問いに、相原大和がもぞもぞ動く
少しだけ離された身体
近い距離で、目が合った
不良と言われるに足りる強い意志を持った瞳に
吸い込まれそう
薄めの
でも形のいい唇が薄く開いた
「確かめてもいいか?」
その言葉の意味を確認する間も無く、近かった距離が更に縮まって
唇に柔らかいものが触れた
身体がバラバラになってしまいそうなほどドキドキして、相原大和の確認だったはずが俺の確認になってしまった
俺、この人に惹かれてる
ゆっくりと離れていく唇が完全に離れきる前に俺からもう1度口付けた
「!」
相原大和の目が見開かれる
あの日最低って言って去った俺がこんなことするとは思わなかったんだろう
「……確かめて、わかりましたか?」
居た堪れない気持ちになった俺がそう聞くと相原大和の口がまた開いて
「あぁ」
と言うが早いか
「……ん」
再び俺と唇が重なった
重ねるだけだった口づけは徐々に大胆になる