誰も見ないで
第13章 好きになんて(サイドストーリー2)
俺の唇に軽く歯を立てられて
舌を根っこから舐められて、吸われる
脳がじん、と痺れるような感覚に襲われて身体から力が抜けると腰に回された腕がぐい、と俺を引き寄せた
凭れるようになるとキスは深くなって
口内を全部掻き回された
暫くして漸く唇が離れると、つーっと伝った唾液が俺の口元を濡らしてそれをまた舐められる
力の抜けた身体で相原大和を見上げると、いつの間に動いた手が俺の前髪を掻き上げた
そしてそのまま額にキスをされ
「好きだ」
と一言
ぼーっとしているところにカウンターを食らったような衝撃を受けて
顔の温度が急上昇する
「……っ」
「側に置いて、俺が守ってやりたい」
いいか、と尋ねられて
俺に聞くな
とか変なことを思った
俺の物になれとか言われたら勝手なこと言うなって思うだろうけど、いいかって聞かれたら今度はなんでも委ねるなって思う
それぐらいもう頭の中がぐちゃぐちゃ
どうしたらいいのかわからない
すると俺の間を迷いと受け取ったのか、相原大和が俺から離れる
そのことに少し不安になりつつ行動を目で追っていると
「!」
相原大和は着ていた上着を脱ぎ始めた