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誰も見ないで

第13章 好きになんて(サイドストーリー2)


それだけ気を許しているんだ、と自覚して
息を吐く


なんでこんなことになったんだっけ


事の顛末から思い返しても、こんなに心を許すようになった理由がわかる気はしないけど


とりあえず話すこともないし、考え事でもしてよう


俺が相原大和の近くにしゃがみ込んでぼんやりと考え事をしていると、閉じていた相原大和の目が開いて俺を見た


「?」
「そーいえばさぁ」


寄りかかっていた身体を起こして、俺の顔を覗き込むみたいにされる


「俺、聞いてねぇんだけど」
「何が……ですか?」


聞き返すと、俺に逃げるなと言わんばかりに相原大和が俺の手首を掴んできた


な、なに


「あの時『確認』したことの、結果報告?」
「!!」


悪戯っ子のような意地の悪い笑みを浮かべる相原大和と裏腹に俺はみるみるうちに顔の筋肉が硬直するのを感じた


「今更別にっ……」
「今更とか関係あるか。言わないとわからねぇよ」
「……っ」


わかってる顔してるのに!!!!


俺は相原大和に掴まれていた腕を振り払って立ち上がる


「しっ……知りません!!!!!」


そして走って屋上から立ち去った


「おい……!?」


後ろから相原大和の声が聞こえた気がしないでもないけど

とりあえずまだ言葉に出来るような段階じゃないから!!!

エスケープだ!!!
エスケープ!!

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