テキストサイズ

誰も見ないで

第14章 文化祭


「執事とか、誰が衣装用意すんだよ」
「それはウチらがなんとかするから〜」
「おかえりなさいませ、とか嫌だよ」


やがて二分された意見は対立を始める


俺もどちらかというと男側の意見に賛成だなぁ

衣装を用意するのも大変だろうし
そもそも何が悲しくて可愛げのカケラもない俺達がそんなことをしなくちゃいけないんだ

それって女の子が楽したいだけなんじゃないの?


そんな酷い考えが頭をよぎった時、騒ぎを鎮める学級委員の大きな声が響く


「はいはい、静かに! それじゃあ多数決にしよう」


それを言われた瞬間、俺は負けを悟る


俺達のクラス女の子の方が多いから、勝てるわけない……


結果は当然俺達の負けで
結局


「では多数決の結果、ウチのクラスは執事喫茶に決まりました〜」


女の子達の意見が通ってしまった


キャー、と高い声が響いて女の子達が歓喜している

一方で男子は


「始めから負け戦だ……」


と項垂れている

でも俺はそんなことより気になることが1つ


さっきの投票の時、瑞稀君どっちにも手上げてなかったな
なんでだろ

負けるってわかってたから?

でも、いつもはちゃんと参加するのに

ストーリーメニュー

TOPTOPへ