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誰も見ないで

第14章 文化祭


「湊斗君の執事服姿が……見て、みたかった、から……」
「!!!」


なっ……斜め上の解答……!!!


「でも自分が着るのは嫌だし、湊斗君が着てるのを他の人に見られるのも嫌で……悩んでいたら、手を挙げられないままでした……」


申し訳なさそうに俯く瑞稀君を、俺は抱き締めたい衝動に駆られる


だって……!!
こんな可愛いこと言われたら……!!!


「み、湊斗君?」
「ちょっと待って。今心の中を落ち着かせるのに時間かかってるから」
「心の中?」


瑞稀君に見せてあげたいよ
俺の心がどれだけ瑞稀君に振り回されてるのか


っていうか待って


「……瑞稀君も、文化祭で執事服着るの……?」


それは、非常事態……


何を今更、と言わんばかりに「はい」と頷く瑞稀君


俺頭の中ではその瞬間から瑞稀君がどこぞのヒーローみたいに華麗に執事姿に変身を遂げる


「だっ……駄目!!!!」
「駄目、って言われても……決まってること、だから……」


変えられないよ、と言う瑞稀君には何の権限もないけど「そこをなんとか」と食い下がりたくなる


だって駄目だよ
可愛すぎる

瑞稀君の可愛さにみんな気づいちゃう

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