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誰も見ないで

第14章 文化祭


けど、そんな俺の焦りとは裏腹に瑞稀君はなんだか嬉しそうに笑っている


「ふふふふっ……」


何が面白いの!
一大事なんだけど!


「なんだか僕達、同じことで悩んだりして……可笑しいね」
「……あ……」


確かに

最初は瑞稀君の話を聞いてたはずなのに
いつの間にか瑞稀君の悩みが俺の悩みになってる


「ほんとだ」


目を合わせてお互い笑い合うと、さっきまでの焦りはなくなった


「瑞稀君が他の人にあんまり見られないように、俺が気をつけたらいいだけだった。がんばるね」


またお昼ご飯を食べるのを再開した俺がそう言うと、瑞稀君は目を細めて笑う


「みんなきっと湊斗君しか目に入らないよ」
「えー? なにそれ」


瑞稀君も正樹みたいなこと言う


「でも文化祭、楽しみだね」
「うん」


それから俺達は文化祭一緒に回る約束をしたり、正樹や相原先輩のクラスも見に行こうって約束をした


「でも先輩って、文化祭……」
「出ないかも……? 大和君面倒くさがりだから……」


め、面倒くさがりとか
そういう問題かな……


正樹はどうせ去年と同じくどっかで客寄せパンダみたいに立たされるに決まってるけど

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