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誰も見ないで

第2章 嫉妬


しばらくした後、沈黙を破ったのは俺


「紺野君、さ……やっぱり人と一緒に学校来てるよね……?」


なにこれ
すごく

口が重い


「どうして嘘……ついたの?」


嘘ついた、なんて酷い言い方をしたいわけじゃなかったのに、なんでか俺の口からは責めるような言葉が出ていた

俺の言葉に顔を上げた紺野君

そして紺野君が何か言おうと口を開いたその時、携帯のアラームが鳴った


「あ……」


せっかく
紺野君から何か聞けそうだったのに


アラームの音は紺野君が起きて、俺が席へ戻る時間の合図の音


また、昼休みかな


と、話を聞くのを諦めて俺が立ち上がろうとすると


「!」


紺野君が俺の腕を掴んだ

なに、と俺が聞くより早く紺野君は腕を掴んだまま歩き出す

俺も引っ張られるがままに歩くと、紺野君は教室を出て階段を上り始めた


そして到着したのは屋上手前の踊り場


階段の下の方からは登校してきた生徒の話し声が聞こえるけど、ここはしんと静まり返っている

そんなところに俺を連れ込んだ紺野君は漸く俺の手を離して振り返った


「渡辺君」
「は、はい……」


そんな時、俺の頭に紺野君がヤンキー先輩と仲のいいもう1つの理由が浮かんだ

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