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誰も見ないで

第2章 嫉妬


実は紺野君が昔ヤンキーだった……!?
そうだったら殴られる!?


やばい、と本能的に思って目をぎゅっと瞑る

けど俺に来たのは顔を殴られる衝撃ではなく、手を握られた感触だった


「ぇ……っ」


驚いて目を開けると目の前には大きな目に涙を溜めた紺野君がいる


「え……」


泣きそうな顔をしていることに驚いてまた声を上げると、紺野君が握っている手に少しだけ力が入った


「渡辺君……朝一緒に来て、帰りも一緒に帰っているあの人……誰、ですか……?」


そして聞かれたのはこんな質問

俺は訳がわからなくなりつつも、紺野君が悲しんでるって思いから


「原正樹……くん、です……」


と素直に口に出した


「幼馴染で……朝は偶然会ったから一緒に来てて、帰りは待ち合わせて……ます……?」


名前だけじゃいけないかもしれない、と思ってそんな風に付け足すと、紺野君は


「そう、だったんですか……」


と言いながら紺野君は下にズルズル下がって行って床に座り込んでしまった

何がなんだかわからない俺も、紺野君の様子が見えるようにとりあえずしゃがんでみる


「僕……勘違いしてました……」


勘違い?

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