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誰も見ないで

第14章 文化祭


「紺野君のことで、知ってること……何でもいいから……教えて、貰えませんか……?」
「!」


え、なに
それ


俺の驚いた顔を見て、小川さんは焦ったようにまくし立てる


「あ、あのっ……違くて、最近仲良くなれたから、もっと仲良くなりたいなって思って……!! それで、教室内で一緒にいるのを見たことあるのが渡辺君くらいだったから、その……渡辺君なら、何か知ってるんじゃ……ないかなって……」


尻すぼみに小さくなって行く声
顔は真っ赤で


確認しなくてもわかるけど


「小川さん、て……もしかして……」


小川さんは俺の問いに真っ赤な顔でこく、と頷いた


「好き…………なの」


頭の上から思いっきり冷水をかけられたような感覚

足元がぐらっと揺れた気がしたのは錯覚か現実か、それもわからない


小川さんが、瑞稀君のこと、好き


最近俺が一緒にいられないこと
小川さんと楽しそうに話す瑞稀君の姿

色んなものが浮かんで


まだ何も決まってないのに
瑞稀君を取られてしまったような
そんな気持ちになった


「……あの、渡辺君……?」


何も言わなくなった俺を不審に思った小川さんが俺に声をかけてくる

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