誰も見ないで
第14章 文化祭
俺は気持ちを落ち着かせて、木下さんを1番に疑うのはよくないって心の中で言い聞かせ続けた
そして昼休み
1人でご飯を食べているところに木下さんからの襲撃を喰らい、一緒に食べることになってしまった俺は
「その時にねーーー……」
いつもの如くどう反応したらいいのかわからない会話を只管聞いていた
そこへ
「どうしたの?」
「え、と……あれ……なんで……」
小川さんの焦ったような声が微かに聞こえた
それから、目の前にいる木下さんの視線が俺を通り抜けて後ろへ向いていることにも気づく
まさか
と思った時には、小川さんの友達が声をあげた
「きゃあっ!? なにそれ!?」
「なんでそんなことになってるの!?」
「……なんで、だろ……」
大きな声をあげた3人に、クラスの視線が集中する
「なにあれ、きたな〜い」
そう楽しそうに呟いたのは、木下さん
汚い?
なにが起きてるのかいまいちわかってなかった俺は、小川さん達の様子を見続ける
すると、ゴミ箱の方へ向かった小川さんが鞄をひっくり返した
「!!!」
そしてぼとぼと、とゴミ箱へ落ちたのは
ご飯……と、野菜とか卵焼きとか……
お弁当……!?