テキストサイズ

誰も見ないで

第14章 文化祭


決意を固めてみれば、こんなに簡単なことだったのかと驚かされる

俺にはまだまだやれることがたくさんあって

それなのに目を瞑ったままとか
勿体無いことしてたな


「湊斗君?」


立てていた膝を下ろして
胡座をかいたそこに瑞稀君を乗せる

そのままぎゅ、と抱き締めれば俺の身体は幸福感で満たされて
不思議とだんだん自信まで湧いてきた


「瑞稀君とまたこうやって休み時間に仲良く出来るようになったらいいな」


小さな子供のように顔をぐりぐり押し付けると、瑞稀君は擽ったそうに身をよじる


「ふふ、そうだね。きっとすぐだよ」
「うん」


それから残りの時間を使って瑞稀君とどうしたらいいかって話し合った




「ふぅん? いいんじゃない?」


そう言ってくれたのは登校中に会った正樹


「俺があれだけヒートアップさせちゃったのは、もしかしたら俺が八方美人してたからかもしれないし。ちゃんとアクション起こして困るって伝えるのはいいと思う」
「だよね」


結局、木下さんへの対応は俺がちゃんと意思表示をするってことで固まった


ちゃんと断る
1人がいいからって頑なになる
押し負けてるんじゃだめ

ストーリーメニュー

TOPTOPへ