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誰も見ないで

第14章 文化祭


俺がとにかく1人がいいからって押し通せば、きっと小川さんに目を向けてる暇なんてなくなるだろうって

安直かもしれないけど、木下さんに強い態度で出る人がいないからもしかしたらって


よし


俺は1度気合を入れ直しつつ、学校へと向かった


「渡辺君。おはよ!」
「おはよう」


朝からハイテンションに俺の方へと寄ってきた木下さんに挨拶だけ返したら俺は早々に自分の席について、久し振りに小説を開いた


「何読んでるの〜?」


近くまできて俺の本を覗き込みながらそう聞いてきた木下さんにタイトルだけを手短に伝える


「へぇ、そうなんだ。面白そうだね」
「……………………」


黙ったまま只管本に向かう俺に対して流石に邪魔しちゃいけないと察してくれたのか、暫く俺の周りをうろうろとしていた木下さんは席へと戻っていった


おお、すごい
強い


人に強い態度でっていうのすごく苦手だったんだけど、休み時間は本とかあればなんとかいけそう

結局俺は休み時間の度に本を取り出しては読み耽り

静かな休み時間と本を読む楽しさ両方を得ることが出来た


やった……!!


ほっと胸を撫で下ろしつつ、まだ油断できないぞ、と小川さんの動向も見守る

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