誰も見ないで
第14章 文化祭
「うん。絶対バレないようにするから」
そもそも文化祭の日にこんなところに人がいるわけないし
いるとしたらさっきの木下さんと小川さんだろうけど、2人に偶然見られたとしたら丁度いいよ
さっきの俺の言葉
瑞稀君が好きな人にフられるなんてこと絶対ないって言ったあの言葉を証明できるから
「瑞稀君、もう1回キスして」
「……ん……」
小さな唇で優しくキスをしてくれる瑞稀君が愛しくて首筋や耳を撫でていたら、擽ったかったのか身じろぎされてしまった
ふふ、かわいい
ごめんね
心の中で謝罪をしつつ、口が離れてからまた瑞稀君の首筋や耳にキスをする
脱がせようかと服に手をかけたところで
そういえば
と思い出した
「瑞稀君執事服すごく似合ってるね。かわいい」
着替えをする暇も与えずに連れてきてしまった瑞稀君の執事服を見て、着替えた時にすぐ言えなかった感想を伝える
すると瑞稀君は小さな声で「ありがとう、ございます……」と何故か敬語で恥ずかしそうにお礼を言った後
「湊斗君は、誰よりカッコ良かったよ」
と褒められてしまった
「えっ……そう?」
「うん。お客さんはみんな湊斗君ばっかり見てた」