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誰も見ないで

第14章 文化祭


すると


「痛っ……!?」


突然俺の鎖骨に、小さな痛みが走る

瑞稀君に噛まれたんだって気がつくまでに数秒


「?」


噛まれた理由を考えるのに更に時間をかけながら瑞稀君に理由を問う視線を向けていると


「!」


今度は噛まれたそこを優しく舐められた

背筋がゾク、と震える


「な、に……?」


あんまりそういうことされるとまた興奮しちゃうんだけど

でもそれをすぐにやめた瑞稀君はまたこてん、と今度は噛み付いた逆の肩に頭を乗せてくる


俺はとにかくそういう瑞稀君の行動1つ1つを追うしか出来ない


「………ーーーーーけ」


瑞稀君が俺の耳元で小さな声で呟いたのは、また頭のぐりぐりが再開されて終わった
その直後


「ん、なに?」


もう1回言って、と耳を近づける

するともう1度きちんと説明するように言い直してくれた


「別に、怒ってないよ。ただ湊斗君とこうやって触れるのが久し振りだから、甘えたかった、だけ」


甘えたかった、なんて単語言われると思ってなくて



「……っ」


俺は瑞稀君をぎゅうぎゅう抱き締める


「く、るし……」
「瑞稀君大好き」


俺の力の強さに困っている瑞稀君を置いておいて俺は素直な今の気持ちを言った

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