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誰も見ないで

第14章 文化祭


そんな正樹を見送って


「今日は暇な時間一緒に回れるかな」
「僕たちは午後の遅い時間から自由時間だよね。行けるといいな」


俺たちは昨日の午後のシフトをサボったせいで、午前中いっぱいと午後も1番混みそうな時間までは強制的にシフトに入れられてしまった

だから自由になるのは本当に最後の最後だけ

それでも


「瑞稀君と一緒に回れるの楽しみ」


俺がそう言うと、瑞稀君も笑ってそうだね、と同意してくれる

そのためには午前中の仕事頑張らなきゃ




「すみません、写真一緒に撮って貰ってもいいですか?」
「いえ、写真はちょっと……」
「えーー……」
「渡辺君、こっちお願い」
「はい」
「紺野君はこれ3番ね」


1日目でも十分なほどに盛況だと思っていたけれど、2日目はそれ以上で

クラスの誰かがSNSで拡散されてるのを見たとかなんとかって聞いたけど


「すみません只今60分待ちでーす!!!」


文化祭の出し物で待ち時間60分なんてあり得るんだろうか

出来上がった待機列は廊下を抜け出して階段まで続いているらしい


「買い出し班戻りましたー」
「ありがとーこっち持ってきて!」


本当にみんな
目が回るほど忙しい

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