テキストサイズ

誰も見ないで

第14章 文化祭


そんな中でも俺は瑞稀君の方へ意識を飛ばす

一般のお客さんもそうだし
今日は木下さんも小川さんも同じシフトで入ってるから


「お待たせいたしました」


瑞稀君が忙しくてもちゃんと笑顔で接客すると、お客さんはなんだか嬉しそうに見えて

それがちょっとジェラシー……


それに、今日は小川さんがちょっと瑞稀君の方気にしてる気がする


神経が擦り切れる……っ


「すみません、注文いいですか?」
「はい、伺います」


それに加えて接客もこなす俺の疲労感はなかなかだ



60分待ちの列が出来ていたのがだんだん短くなって
10分まで来たところで漸く


「渡辺君、紺野君、もう終わりでいいよ」


と俺たちにやたらと長いシフトを命じたクラスの実行委員長が声をかけて来た


や、やっと終わった……


瑞稀君もなんだか疲れた様子で息をついている

2人で更衣室に向かいながら


「お疲れ様」
「湊斗君もお疲れ様」


お互いに労う


「本当に大変だったね。俺あんなに混むと思わなかった」
「そうだね」


売り上げ校内1位かもね、なんて会話をしながら到着した更衣室のドアを開けようとした
その時

ストーリーメニュー

TOPTOPへ