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誰も見ないで

第14章 文化祭


ちょっと訝しげな瑞稀君に


「なるから、早く」


と急かすと、髪の毛を梳くような動きが再開される

やっぱり襟足の方は多少ガサガサ指の引っかかるような感覚がしたけど、そんなことよりも瑞稀君に撫でてもらってるのが気持ちよくてどうでも良くなった


「……ありがと、湊斗君」
「どういたしまして」


そんな会話を最後に俺は先生が戻って来るまで黙って撫でられ続けた



その後戻ってきた先生に俺たちは、色々なことは明日でいいから帰りなさいと言われ大人しく家路に着いた

家に帰ってからも今日のことの疲れが出たらしく、特に何をするでもなく2人とも就寝


そうして迎えた文化祭の片付けをする日に、俺たちは朝から先生に呼び出された


「小川から大体のことは聞いているんだが……」


こんな話し出しで始まった先生の話に、最初は小川さんの主観が混ざった嘘ばっかりなのではと警戒したけど


「ーーーこんなところで間違いはないか?」


ほとんど、というか全部
ほんとのことばっかりで


「はい」
「間違いないです」


俺たちはただ返事をしただけだった


捻じ曲がって伝わってたら直すのとか揉めそうだし、良かった

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