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誰も見ないで

第15章 そんな時期


というか気になるのは湊斗君だから、なんだけど


見つめた先の背中は、何を考えているのかわからない


僕は……どうしよう


お母さんが貯めてくれてたお金は奨学金を借りれば大学まで出られるだけある

けど


白い紙に印字された「進学・就職」と書かれた欄を眺めるけど、答えは出てこない


んー……
わからない


どちらに進むか決められてないからどちらの説明もじっくり聞いて、その日の授業は終わった


「瑞稀君、帰ろ」
「うん」


帰りのHRが終わって湊斗君が僕の席まで来てくれた


「冷蔵庫の中って何があったっけ」


と言う湊斗君に覚えてる範囲で冷蔵庫の中身を言うと


「ちょっと少ないかな。買い物行ってから帰ろっか」


と言われ、スーパーに寄ってから帰ることに

ちょっと遠回りになった帰り道を、何でもない会話をしながら帰る


「今日の体育疲れたねー。1人遅刻したぐらいで全員あんなに走らされると思わなかったよ……」
「それにあんなに走った後のお弁当がこってりした物だったから」
「ちょっと気持ち悪かった」


ね、と2人で笑い合う


そんな雰囲気で、心の中に引っかかっている進路の事は聞けず

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