誰も見ないで
第15章 そんな時期
そうしてやってきた土日休みの1日目
湊斗君は朝ご飯をたべおわると、ハッと気がついたような顔をして
「そういえば母さん達に電話してって言われてたんだった」
と携帯電話を取りに行って
「ごめん、ちょっと電話かけてくるね」
「うん。あ、寒いから上着」
「ありがと!」
何故か電話をかけに外に出て行ってしまった
国際電話だと家の中は電波が悪いとかあるのかな?
というか、国際電話
お金……
湊斗君のご両親は共働きで仕事をしてるから、気にしなくても簡単に払えてしまうのだろうか
自分の携帯で国際電話の料金を調べたくなる
いやいやだめだめ
それから1人で朝のニュース番組を見たりしてたんだけど
遅い
それにしても湊斗君が帰ってこない
もしかして何かあったんじゃ、とこそこそ玄関に向かって聞き耳を立ててみる
「ーーーー、ーーーー……」
あ、話し声聞こえる
よかった
話が長引いてただけ?
ご両親と仲がいいのはいいことだよね
僕はまた部屋に戻った
湊斗君が帰ってきたのは電話をしに出てから2時間が経ってからで
「寒かったーー」
と僕に寄ってきた湊斗君