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誰も見ないで

第15章 そんな時期


「ごめん。先生に呼び出されてるから、先に行ってて」


と言われて僕が向かったのは学校の図書室


昨年の大学のパンフレットや赤本と呼ばれる過去問題集なんかがたくさん並んでいるから、大学選びに使えるぞっていうのは担任の先生の言葉

とはいえ僕は特に大学の目星もつけていないので、とりあえずは多数の大学が紹介されている本を手にとって椅子に座った


学びたい分野ごとに区分けされたところを開くと、大学ごとの特徴が書かれていて


あ、ここ
これはいいなぁ

でもこっちのこれも興味ある

ここは……うーん、ちょっと違う、かな?


なかなか、というかすごく参考になる


「私ここ行きたいんだよね〜」
「え、ほんとに? 偏差値たかーい頑張って」


進路調査票が配られた直後ってこともあって、図書室には色々な資料を求める生徒が数人いて同じように資料を漁ったりしていた


それを見て、僕には焦りに似た感情が芽生える

でもこれはネガティヴなものじゃなくて
もっとこう、僕も頑張らなきゃって思うやつだから
きっといい感情のはず


よし
頑張ろう


僕は一層資料に目を通すことに集中するべく、一旦深呼吸をした

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