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誰も見ないで

第15章 そんな時期


それに一回一回モヤモヤしてたら大変かも


来てもない
来るかもわからないそんな未来を想像して息を吐くと、女の子がもう1人合流してきた

その子はなんだかすごく焦っているような感じ


「聞いてよ〜!」
「遅かったね? なになに」
「彼氏がさぁ、地方の大学行くっぽいんだよね」
「えー!?」
「マジで!? なんで!?」
「なんか、勉強したい学部が全国でもそこにしかないって……」


泣きそうになってる女の子の背中をさすりながら話を聞いてあげてる


「そもそも私は文系で彼氏は理系で同じ大学は難しいって思ってたけど、でもそんな遠くに行くことないじゃん……」


さっきまで盛り上がってた2人は本当にその子のことが心配なのか、一生懸命励ましの言葉をかけている


そっか

大学は色んなところにあるから、そんなこともあるのか

そんな時にふと目に入る手元の大学の資料には1、2年次は地方の校舎で学ぶ学部の説明がされている


……


一気に不安感が増した


湊斗君は、どこの大学に行きたいんだろう
もし地方に行くとしたら
僕はどうしたらいいんだろ


「お待たせ、瑞稀君。どっかいいとこあった?」

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