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誰も見ないで

第1章 告白


次の日、通い慣れた『2-D』と書かれた教室に入るとすぐに紺野君を見つけた


あ、やっぱりいた
いつも朝早いもんね


1番窓際の1番前
朝日に照らされても真っ黒な髪

俺はそこに近づいていって


「おはよう」


と声をかけてみた


「!」


すると紺野君の肩が大きくビクッと揺れる


あ、あれ
声かけちゃいけなかった?


顔を上げた紺野君は一瞬周りを見回してから小さな声で怯えたように「お、おはようございます」と返事をした


なんでこんな、怖がってるみたいな反応するんだろ
一応付き合ってる、んだよね?


と訝しげに思っていたら、紺野君が俺に向き合って


「あ、あの……お昼ご飯……一緒に食べませんか……?」


と聞いてきた


ご飯!?
食べる!!


「うん、いいよ」


嬉しさのあまり微笑んで返すと、紺野君は


「ありがとうございますっ……じゃあ、あの……お昼休み、屋上で……」


と言いながらまた俯いてしまった

前髪に隠されて顔が見えなくなってしまう


「……うん」


俺とあんまり喋りたくないのかなぁ?

でもお昼ご飯一緒に食べてくれるみたいだし、告白もされたし、嫌いなわけじゃないんだよね?

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